加齢臭よりもクサイと言われているミドル脂臭
働き盛りの男性に多いと言われていますが、実は最近20代の女性でも悩んでいる人がいるってご存知ですか?
今回はなぜミドル脂臭は発生するのか、加齢臭との違いやどうしたらミドル脂臭は防げるのか、などを詳しく紹介します。

ミドル脂臭とは?

ミドル脂臭とは、”ワキガ”のような体臭の名前で30代半ば~50代半ばのいわゆる「ミドル世代」と呼ばれる男性にこのニオイで悩んでいる人が多かったため、ルシードやGATSBYシリーズで有名な株式会社マンダムが命名しました。

ミドル脂臭は女性にも発生する?

名前の由来から働き盛りの男性特有のニオイだと思っている人も多いようですが、実は女性でもミドル脂臭を発している人はいて、最近では女性誌で特集を組まれることもあるのです。
加齢臭のように「ある一定の年齢になるとニオイの原因物質が増える…」といったものではないため、若い人からお年寄りまで世代や性別に関係なく誰でも発生する可能性があります。

どこからニオう?

ミドル脂臭の発生部位とどんな臭いなのかを図解

ミドル脂臭の発生部位とどんな臭いなのかを図解

汗や皮脂が多く、菌の繁殖も起こりやすい頭部(後頭部、頭頂部)や耳周り、首のうしろなどで多く生成されます。
“枕の嫌なニオイ”はミドル脂臭が原因ですと言われると、「あー、あのニオイか…」となる方も多いのではないでしょうか。

どんな臭い?

ミドル脂臭の発生には、「ジアセチル」というニオイ物質が深く関わっています。
ジアセチルはヨーグルトやチーズ、バターなどの発酵食品の主な臭気成分です。こう言われるとなんとなくニオイが想像できる気がしますね。

発酵臭ジアセチルに油(皮脂)臭が混ざったミドル脂臭は古い油のようなニオイや古い商店街のニオイのような、なんとも言えないツンとしたニオイがします。
このニオイは拡散力がかなり強いのも特徴の1つで、ニオイの強さも口臭の1.4倍、足のニオイの1.5倍とニオイの強さかなり強力なのです。

ミドル脂臭の原因って何?

ジアセチルと中鎖脂肪酸とが混ざりあっている様子の図解

ジアセチルと中鎖脂肪酸とが混ざりあっている様子の図解

ミドル脂臭の直接的な原因になるのが、このニオイ物質「ジアセチル」です。
酢(酢酸)の1/100程度の量でもニオイを感じる強い臭気物質で、少ない量でも強くニオイを感じます。

また、加齢臭の原因物質ノネナールと比べ、空気中に広がりやすいという特徴もあり、これが強い拡散力に繋がっています。
それ1つでも強力なニオイのジアセチルですが、中鎖脂肪酸と混ざり合うことでニオイは増悪します。

乳酸

「ジアセチル」のもとになるのが乳酸です。
乳酸は汗に含まれて体の外に排出され、肌表面に生息する常在菌、ブドウ球菌によって代謝・分解されます。
乳酸が分解されるとジアセチルが発生、これが酸化した皮脂と混ざることでミドル脂臭となるのです。

乳酸はストレスによる緊張性発汗や精神性発汗をした際のドッと出てくる汗に多く含まれています。
他にも睡眠不足だったり疲れていたりすると、乳酸が汗にたくさん含まれた状態になります。乳酸が汗に多く含まれれば、当然ジアセチルの分泌量も多くなってしまいます。

4~50代は「責任世代」などとも呼ばれ、仕事でも家庭でもストレスを感じることの多い世代だと言われていますが、責任世代とミドル脂臭を発生する年齢が重なるのにはストレスを多く感じることによる乳酸の増加が関わっているのかもしれません。

皮脂の過剰分泌

ミドル脂臭の直接的なニオイの原因は乳酸から作られるジアセチルですが、皮脂もミドル脂臭を発生させるのに重要な役割を果たしています。

皮脂は汗腺とは別の皮脂腺という場所から分泌され、肌表面の常在菌に分解されることで中鎖脂肪酸を排出します。
これはいわゆる「頭皮のニオイ」の原因で、それ自体は弱くまわりの人が不快になるようなニオイではありません。

しかし、ジアセチルと中鎖脂肪酸が混ざることでニオイは悪化し、ミドル脂臭となって拡散されます。
さらにミドル脂臭は皮脂に蓄積されるとも言われています。こうして皮脂の過剰分泌や酸化も、ミドル脂臭の悪化に関わっているのです。

汗腺機能の衰え

近年、私たちは慢性的な汗腺の機能低下に陥っていると言われています。
運動不足や冬は暖かく夏は涼しい快適な空調環境と外気温の差などが原因で、汗腺がうまく働かなくなり、機能が低下してしまっているというのです。

正常な汗腺と機能が低下している汗腺の図解

正常な汗腺と機能が低下している汗腺の図解

通常、汗は血漿(血液から赤血球などの有形成分を取り除いた液体)を原料に作られます。汗のもとには血漿中のミネラルなどが含まれていて、汗腺を通ってからだの外に出てくるまでにろ過し「99%が水」の汗を作って排出します。

汗腺の機能低下が起こるとろ過がきちんと行われず、汗は乳酸を含むミネラルを多く含んだ状態で分泌されてしまいます。
すると汗そのもののニオイがきつくなる他ミドル脂臭の発生リスクを高め、熱中症といった健康被害まで引き起こすようになります。

このようにミドル脂臭の発生原因を見ていくと、年齢や性別に関わらず誰でも発生リスクはあることがわかります。

ミドル脂臭の対策方法

一度ニオイはじめると強烈なミドル脂臭。できればニオイを発生させず、未然に防ぎたいものです。また、ニオイが出てしまった場合もどうしたらなるべく早くニオイを消臭できるのか気になるのではないでしょうか。

こちらの項目ではミドル脂臭を未然に防ぐ対策と、発生したニオイを消臭する方法を紹介します。

消臭効果のある石鹸やボディソープ、シャンプーを使用する

ミドル脂臭の原因ジアセチルは、フラボノイド含有植物エキスによって抑制効果があることがわかっています。
フラボノイドが含まれる石鹸やシャンプー、ボディソープを使ったり、体臭や汗臭を抑えるシャンプー、ボディソープを使ったりすることでニオイを未然に防ぐ&出てしまったニオイをさっぱり洗い流すことができますよ。

特にミドル脂臭の発生部位である首筋やうなじ、耳裏周辺はしっかりと意識して洗うようにしましょう。
頭皮も皮脂の分泌量が多くミドル脂臭の好発部位なのでシャンプーでもミドル脂臭対策が必要です。ニオイを抑える効果のあるシャンプーを使ってケアしましょう。
ついでに頭皮ケアも行うと、皮脂の過剰分泌を抑えて気になるニオイだけでなく、ベタつく髪や薄毛などの悩みも解消できるかもしれません。

ミドル脂臭対策のためのシャンプー時の洗い方

ミドル脂臭対策のためのシャンプー時の洗い方

注意をしてほしいのは、洗いすぎがNGだということ。
ニオイを気にして一日に何度も洗ったり、洗浄力の強すぎる石鹸を使用することは、ニオイを解消するどころか肌トラブルを引き起こしたり、過剰な皮脂分泌の原因になります。

回数を増やしたり洗浄力を強くしたりするよりも、正しい洗い方で頭皮をマッサージしつつ、皮脂汚れをしっかり落とすようにシャンプーする方がニオイケアには効果的です。
なお、シャンプーやボディソープは肌を擦るのではなく、泡で包むように洗うとお肌に優しくスッキリと洗い上げることができますよ。

ミドル脂臭におすすめのシャンプーをお探しの人はこちらの記事をご覧ください。

抗酸化作用のある食べ物をたくさん摂る

オススメはビタミンA・C・Eやポリフェノール、フラボノイドを多く含む食材です。
代表的なものは緑黄色野菜やナッツ類、ごま、大豆など。

他にも苦味やえぐみが強い、色の濃い食べ物は抗酸化力が高いことが多いです。
また、グレープフルーツやはっさく、みかんなど柑橘類にも多く含まれます。

汗腺トレーニングをする

汗腺が衰えていると汗に含まれるミネラルをしっかりろ過できず、乾きにくく臭くてベタベタする不快な汗しかかけなくなってしまいます。

日頃からエアコンで温度調節された部屋で過ごし、運動や半身浴を行うなどしてしっかりと汗をかく習慣がない場合は汗腺が衰えている可能性が高いです。
意識して汗腺をトレーニングするようにすると良いでしょう。

入浴時の汗腺トレーニングの方法と高温反復浴の方法

入浴時の汗腺トレーニングの方法と高温反復浴の方法

汗腺トレーニングにはいくつか方法があります。
まずは浴槽に43~44℃のお湯1/3~1/4くらいの高さに張って、バスチェアを置いて座り、膝下と肘下のみお湯につける方法
こちらの方法は誰にでも簡単にできるためオススメです。

浴室に椅子がない場合は、高温反復浴。こちらはいつもどおりの湯量で40~43℃の熱めのお湯をはり、肩までゆっくりと浸かって5分間リラックスします。その後湯船から出て5分間休憩し、今度は3分間お湯につかります。その後また5分休憩して、3分お湯につかる…というのを繰り返す方法です。
こちらは湯量の調整などの必要がありませんが、あついお湯に入るため体への負担が大きいので無理をせず体調を見ながら行うようにしてください。

どちらの方法でも、続けるうちに全身からしっかり汗をかけるようになります。
なお、お風呂から出たあとは冷房や扇風機などは使用せず、自然に汗が引くのを待ちます。

適度な運動をする

日頃から運動不足だったり、逆に筋肉に負荷をかける激しい運動をしていたりすると体に乳酸が溜まりやすくなってしまいます。
乳酸が溜まりやすいと必然的に汗に混じる乳酸の量も多くなり、ミドル脂臭の原因に。
ミドル脂臭が気になる人は、有酸素運動をメインにあまり筋肉負荷の強くない運動をするよう心がけると良いでしょう。

ストレスをためない生活を送る

ミドル脂臭発生の原因に、ストレスによる乳酸の増加があります。ストレスを溜めない生活を心がけることで、精神性発汗や緊張性発汗で乳酸をたくさん含む汗分泌のリスクを減らすことができます。

また、肉体的な疲れやストレスでも乳酸は溜まりやすくなります。
乳酸が体内に多く存在すると、汗として分泌される乳酸の量も増えるためニオイ悪化に繋がります。

Note

更年期のホットフラッシュも精神性発汗の1つです。
更年期多汗症はジアセチルの分泌量が多く、ニオイが出やすいのでニオイ対策はしっかり行うと良いでしょう。

汗をかいたらすぐに拭き取る

こちらはミドル脂臭だけでなくワキガや汗臭全てにも言えることですが、汗をかいたらなるべく早く拭き取ることが大切です。

ミドル脂臭でも汗臭でもワキガ臭でも、汗そのものが強烈なニオイを出すのではなく、汗が皮膚表面の皮脂と混ざりあい、雑菌が分解することでニオイは発生します。
つまり、汗をかいた直後に汗を拭き取ってしまえばニオイは出ないのです。

汗や皮脂は水溶性なので、汗ふきシートや濡れタオル・おしぼりなど湿らせた布で汗をかいたらサッと拭くだけで体臭は大幅に軽減できます。

服に染み込んだミドル脂臭を落とす方法

洋服についてしまったミドル脂臭を落とすには、洗濯や消臭スプレーの使用が有効です。

一番確実なのは、洗濯です。
洗濯をする際は洗剤選びがポイント。皮脂汚れをしっかりキレイにすることでミドル脂臭を撃退することができます。

オススメは、ライオンのブルーダイヤ。こちらはミドル脂臭を抑えるフラボノイドが配合されています。
他にも「皮脂」や「油脂」を分解すると書かれている洗剤もミドル脂臭の原因になる皮脂を分解・洗浄してくれるのでオススメです。

アタックバイオジェルや部屋干しトップ、アリエールリビングドライなど、抗菌・消臭効果のある洗剤も、衣類への抗菌(菌の繁殖を抑る)効果や除菌(菌を減らす)効果があるため衣類のニオイケアにオススメです。

使用する洗剤の形体は液体の方が繊維の奥までしっかりと入り込みやすく、粉末の洗剤を使うのであれば予め40~50℃くらいのお湯で溶かしてから洗剤投入口に入れるのがベスト。

それでも落ちないガンコなニオイ汚れには、ハイター(漂白剤)でのつけ置きがオススメ。
人肌くらいのぬるま湯に普通の洗濯洗剤と酸素系漂白剤を溶かし、ニオイの気になる衣類を30分~1時間ほどつけ置き、その後洗濯機で洗います。

洗濯できない時にニオイを落とすには?

洗濯ができない時は、消臭スプレーの出番です。
こちらはニオイの根本解決はできませんが、一時的に抑えることは可能です。

ただし、ニオイを感じなくなったからといって汚れがなくなったわけではありません。あくまでも一時的な処置であると考え、あとできちんと洗濯やクリーニングなどケアを行うようにしてください。

また、旅行中など衣類スプレーを手に入れることすらできない…という場合は水スプレーか、使用後のお風呂場にニオイの気になる衣類を干すのがオススメです。
湿気を含んだ衣類が乾燥する過程でニオイ成分は水とともに空気中に排出されます。

水を濡らして風通しの良いところに干すか、使用後の浴室に吊るして換気扇をつけ一晩くらい置いておくとニオイは取れていることが多いです。

衣類用・部屋用などのおすすめ消臭スプレーはこちらの記事をご覧ください。

まとめ

ミドル脂臭は、汗に含まれる乳酸を常在菌が分解して発生する「ジアセチル」と皮脂が常在菌に分解されておこる中鎖脂肪酸が混ざることで発生します。
ミドル世代の男性だけのものではなく誰にでも発生する可能性があり、ニオイの強度はかなり強く、空気中への拡散力も強いという強敵です。

しかし、食べ物や日々の生活習慣でニオイを抑えることもできますので、紹介した方法を参考に諦めずにケアしてみてくださいね!

この記事を書いた人

r.t

歯科衛生士
スキンケアアドバイザー


2匹のチワワと暮らしています。
ペットとの生活臭が気になるところから、体臭などの全身の臭いケアについても勉強するようになりました。

歯科衛生士として都内のクリニックに4年勤めたのち、現在は化粧品メーカーに勤務する傍ら美容について日々勉強しています。

歯科衛生士の視点とスキンケアアドバイザーの視点から、気になる臭いのケアについてご紹介していきたいと思います。

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歯科衛生士の視点とスキンケアアドバイザーの視点から、気になる臭いのケアについてご紹介していきたいと思います。

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