多汗症に漢方薬は効果があるの?汗かき体質の人は必読!

多汗症の治療には漢方薬が効果的と言うのは本当でしょうか?
「そもそも“漢方”って一体、何?」「ふつうの医療と何が違うの?」
そんな漢方初心者さんから、実際に漢方を使って汗かきや多汗症を治したい方まで、多汗症を漢方で治す方法や“漢方”って一体なんなのかを紹介します。

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漢方薬で多汗症が改善できるって、本当?

漢方とは「中医学(中国の伝統医学のこと)」が5世紀頃、飛鳥時代に日本に伝わってできた伝統医療です。

もともとは中国のものでしたが、日本の風土や日本人の体質に合わせて独自に発展しています。

「漢方」という名前は17世紀ごろ日本に伝承され大きく発展した西洋医学「蘭方」と区別するためにつけられた名前で、名前の由来は漢王朝ですが中医学とは異なる日本独自の医学です。

「漢方」は東洋医学の治療法の総称であり、漢方薬の他に、養生・気功・薬膳・整体・鍼灸などを含む広い意味で使われます。

「漢方」の一つである漢方薬は、様々な作用を持った植物や動物・鉱物などと言った天然の素材を組み合わせて作られていて、体のバランスを整えたり巡らせたりして“自然治癒力を高める”ことを目的としています。

また、症状だけではなくその人の体質や体のバランス・状態によって処方される薬は選ばれます。

体質は大きく分類すると陰、陽、虚、実、気、血、水と分けられ、これらの組み合わせで判断を行います。

漢方薬が多汗症に効く理由が知りたい!

漢方では同じ症状でも体質によって処方されるお薬が違っており、これを「同病異治」と言います。
暑がり・寒がりのような体質や体力の程度、イライラしやすいかなど心と体の状態にあわせて同じ病気・症状を改善する場合でも人によって全く違う薬が処方されるのです。

例えばコッコアポという代謝コントロールのお薬は「ため込み下降型」「乱高下不安型」「低空飛行型」「冷え急降下型」と4つの体質に分けて作られていて、同じ「コッコアポ」でも4種類のお薬に配合されている漢方薬は全く違うものです。

逆に、全く異なる症状でも同じ薬が選定されることもあり、これを「異病同治」といいます。

多汗症の原因は様々で、精神的なものや食生活・肥満体質・遺伝・ホルモンバランスなど多岐に渡っていると言われています。

このような性質から「症状だけを見るのではなく、体質や原因を総合的に探り判断する」漢方薬は、汗かき体質や多汗症と非常に相性の良い治療法であると言えるのです。

更年期の多汗症にも、漢方は効果がある?


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更年期に入ると多くの女性が急に顔が熱くなって顔汗が止まらなくなるホットフラッシュや、のぼせを訴えるようになります。

これは自律神経のバランスが崩れることで体温調節ができなくなるのが理由だと言われており、ホルモン補充療法などを行うことが多いのですが漢方でも治療することは可能です。

更年期障害特有ののぼせや多汗症(ホットフラッシュ)に用いられる代表的な漢方薬は
「桂皮茯苓丸(けいひぶくりょうがん)」や「加味逍遙散(かみしょうようさん)」などが挙げられます。
これらの漢方薬を服用しながら、生活習慣を見直しつつ様子を見ます。

多汗症に効果的な漢方薬はこれ!


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多汗症の漢方治療は、発汗状態を重視して処方する薬を決めます。

具体的には全身・頭部・手足などの発汗部位と、汗の出かたなどです。それをもとに処方される漢方薬にはいくつか種類があります。

今回は特によく使われる漢方薬と、どういった効果があるのかを紹介します。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

ぽっちゃりとして汗をかきやすく、体がむくみやすいタイプの人にオススメの漢方薬です。
消化吸収を助けながら体内の水分バランスを整え、余分な水分を排泄することで体をひきしめ、水太りやむくみを改善する効果があります。

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)

神経過敏や女性ホルモンの影響で起こる多汗症によく使用されます。
不眠症や更年期障害、風邪や喘息の治療などに幅広く使用される漢方薬です。
気分を落ち着ける牡蠣(ぼれい)と呼ばれる成分が配合されていて、ストレスや緊張、不安など精神性発汗に対して非常によく効くとされています。

柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

こちらもストレスや緊張などの精神的な原因による多汗症に悩んでいる人によく効く漢方薬。
神経症や子供の夜泣きなど、神経質で精神的に不安定な人にも用いられます。
利尿作用や鎮静効果のある生薬を含み、体にこもった熱を取り除いて気のめぐりが悪くなるのを改善します。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

“産婦人科の三大漢方薬”とも呼ばれ、月経異常や更年期障害など女性特有の症状によく用いられる漢方薬です。
体力があまりなく、のぼせや発汗・イライラ・不安などいわゆる「不定愁訴(ふていしゅうそ)」と呼ばれる心身の不調に広く用いられます。
血の巡りをよくし、自律神経を調整することでイライラやのぼせを鎮める働きがあります。

不定愁訴とは:頭痛、肩こり、抑うつなど全身の不調を患者が強く訴えるものの、検査などをしてもハッキリとその原因となる病気が見つけられない状態のこと。
患者からの訴えも主観的で変わりやすく、他人が見てハッキリ分かる客観的な所見は見られないため、治療が難しく周囲からも理解されにくいと言われている。

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

頭部に限定してたくさん汗をかく局部性多汗症の場合、のぼせが原因であることが多いとされています。
黄連解毒湯はイライラしたりカーッとなったり、のぼせの原因である「熱」を取って体を冷やす効果をもち、体の上部の熱を取り除く働きがあります。
口内炎や赤味のある皮膚炎、鼻血などにも緩和効果があるとされています。

その他、多汗症に効果的な漢方薬


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ホルモンバランスを整える、女性に多く処方される漢方薬

「血」のめぐりが悪くなった状態を改善してくれる女神散(にょしんさん)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)も更年期における多汗症に効果があるとされています。
生理痛がひどい時や生理不順のとき、足腰の冷え性など、漢方で言う「血の道症」に効果があるとされる漢方薬ですが、どちらも男性に対して処方されることもあります。

血の道症とは:月経、妊娠、出産(後)、更年期障害など女性ホルモンの変動に伴い現れるからだと心の症状。
西洋医学で言うPMS(月経前症候群)をもう少し幅広くしたイメージ。

手・足汗の多汗、精神性発汗に効果がある漢方薬

柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)と荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)は特に手汗や足汗の多汗や精神性の発汗に効果があるとされています。
「肝」の熱を取り、精神状態を安定させて余分な水分を追い出します。
アレルギー体質や慢性鼻炎などにも使用され、配合されている生薬はほとんど同じというよく似た性質の漢方薬です。

全身の機能を高め、寝汗を抑える“黄耆(おうぎ)”が含まれる漢方薬

黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)、桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)、玉屏風散(ぎょくへいふうさん)などは、“黄耆”という生薬が共通して配合されています。これは個別で紹介した防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)にも含まれていますが、じめじめとした体の水分を排出する働きのある生薬です。
さっぱりと気持ちの良い汗ではなく、じめじめじとじとした汗をかきやすく、風邪をひきやすい・湿疹などが出やすい人に効果的な漢方薬です。

熱中症や排尿障害にも使われる漢方薬

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)と竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)は、汗だけでなく泌尿器のトラブルなどにも使用されます。
体の熱と水を取り、それからくるほてりやかゆみ・イライラ・喉の渇きなどに用いられます。

漢方薬が効くにはどのくらいの期間飲めばいいの?

漢方薬には、ゆっくり効く薬とすばやく効く薬があります。

このように、薬の形状や薬の種類によって、漢方薬の効果が出る速さや継続してお薬を飲む期間は変わります。
たとえば市販の漢方薬を自分で選ぶ際は、できるだけ固形の錠剤よりも粉末の顆粒剤の方が効果は出やすくなるためオススメです。
多汗症の治療薬は上記の「補剤」に含まれるものが多いため、すぐに効果が欲しい人からするとちょっと残念ですが、最低でも2週間以上の服用が必要となります。
効果の目安はだいたい1ヶ月程度とし、全く変化がなければ再度処方を検討します。
また、漢方は体質からきちんと治して「再発させない」ことを目的とするため、症状が落ち着いてからも「予防」のために飲み続けることが多いというのもポイントです。

漢方薬は、お薬です。自分にあった組み合わせを処方してもらいましょう!

漢方薬はドラッグストアで簡単に買うことができるうえに西洋薬よりも効果が緩やかと言う印象も強く、サプリメント感覚で購入している人も多いのではないでしょうか。

しかし、実際は体質によって処方される薬は違っていて、自分に合わない薬を選んでしまうと副作用が強く出てしまったり、かえって症状が悪化したりすることもあります。

はじめて漢方を試す際は、きちんと専門のお医者さんから診断をうけ、自分にあった漢方を処方してもらうのが安心ですよ。

そのほか自分にあった制汗剤を使用することで症状を和らげることもできるので、そういった対策で精神的にも楽にさせてあげると良いです。

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