臭いラボ

シュールストレミングはどんな臭い?食べ方と消臭方法まで解説!

世界一臭いと言われている缶詰「シュールストレミング」。
塩漬けにしたニシンを発酵させて作られる缶詰で、主にスウェーデンの北部で親しまれている食べ物です。
いったいどれほど臭いのか、どんな臭いがするのか、そして本当に食べられているのかなど、気になるポイントを見ていきたいと思います!

世界一臭い食べ物と名高いシュールストレミングとは?

シュールストレミングは、スウェーデンで食べられている塩漬けニシンを発酵させた缶詰です。
スウェーデン語で「スール=酸っぱい」「ストレンミング=バルト海産のニシン」という意味があります。
シュールストレミングはあまりにもニオイがきついため、世界一臭い食べ物として世界中で知れ渡っています。

シュールストレミングは具体的にどんなニオイ?

世界の食べ物を、臭気指数計(単位:Au)で計測したところ、シュールストレミングは8070Auを記録しました。日本のくさやは1267Au、韓国で最も臭いといわれているホンオフェでも6230 Auだったため、群を抜いて強烈な臭いであることがわかります。くさやの6倍の臭さだと考えると、いかに強烈なニオイであるかわかるのではないでしょうか。
発酵食品ではありますが、酸っぱいを通り越して「腐った魚のニオイ」「猛暑の中で生ごみが腐ったニオイ」などと言われています。

臭い原因は進みすぎた発酵だった


シュールストレミングは、発酵させたものを缶詰に詰めるのではなく、缶詰の中で発酵が進んでいきます。発酵している最中にハロアナエロビウムという細菌が発生し、このハロアナエロビウムが発酵している最中に強い悪臭物質を生成しているのです。一度開けたら失神するくらい臭いと言われるその理由は、発酵過程にありました。
すべての缶詰が同じくらい強烈なニオイがするかというと、実は発酵具合により味やニオイに大きな差が生まれます。保存環境によっては、ニオイの弱い缶詰となることもあります。「あれ?思ったより臭くない…?」と思ったことがある方は、おそらくこれが理由かと思われます。

シュールストレミングで爆弾物処理班が出動した事例も

2014年にスウェーデンで開催された音楽フェス「Uport Musikweekend」にて、シュールストレミングが爆発し、爆弾物処理班が出動するほどの大事件が起きました。
会場内でシュールストレミングの缶詰の上に小型爆弾が置かれており、それが爆発したことで事件が発生したようです。なぜ缶詰が置かれ小型爆弾が設置されていたのかは不明ですが、爆発後は煙とともに悪臭が充満し、大惨事だったといいます。想像するだけでも恐ろしい事件です。

また、同年、ノルウェーの小屋から25年間放置された缶詰が見つかり、缶詰専門家と爆発物処理班が出動する事態になったそうです。缶詰を開けてみると魚は液体状になっており、ひどい悪臭で食べることはできなかったといいます。

シュールストレミングの悪臭が原因で爆弾物処理班が出動した事件は、ほかにも過去にいくつかあります。

なぜそんなにも臭い食べ物が現在まで食べられているのか

シュールストレミングは、14世紀頃の中世ヨーロッパではすでに食べられていたといいます。
中世ヨーロッパでは、塩漬けのニシンやタラが肉の代わりに食べられていました。しかし、生魚を保存するには塩が必要で、スウェーデンではニシンが豊富に取れましたが、塩は貴重な食材だったため大量に使うことができなかったそうです。樽の中で薄い塩水に漬けて保存すると、腐りはしないが発酵がどんどん進んでしまうことに当時の人々は悩まされていましたが、これがシュールストレミングの始まりです。少ない塩でもニシンを保存できることがどんどん広まっていき、17世紀の中世ヨーロッパではメイン食料として王軍に好まれていたといいます。
シュールストレミングは長い歴史のある伝統的な缶詰であり、今でもスウェーデンの人々に愛されています。

一般的なシュールストレミングの食べ方


シュールストレミングの缶詰は丸く膨らんでいるという特徴があります。密封された缶詰の中で発酵を続けると二酸化炭素などのガスが発生し、だんだんと膨らんでいきます。そして開封の際に汁が噴出し、強烈な臭いを放ちながら飛び散ってしまうのです。この汁は非常に臭気が強く、室内で食べるととんでもない悪臭が漂ってしまうため、屋外での開封することをおすすめします。

気になるシュールストレミングのお味ですが、「ものすごくしょっぱい塩辛」といわれることもあるほど、塩気が強いです。もちろん臭さもあります。
一般的な食べ方としては、玉ねぎやトマト、ジャガイモ、サワークリーム、バターと一緒にパンに乗せて食べます。
シュールストレミングの塩気がいいアクセントになり、おいしく食べられるのです。日本人が食べてもおいしいと感じ、一度食べると病みつきになる人も多いです。
合わせる飲み物は、ウォッカやビールなどのアルコールが人気です。

臭いの消し方はあるの?

開封の際に汁が洋服などに付着してしまった場合、ズバリ!そのニオイは落とすことができません。「一度ついたニオイは取れません」と缶詰にも注意書きがされています。
そのため、新聞紙などの捨てられる紙を敷いた上に缶詰を置き、ビニール手袋やレインコートを着て、慎重に開封する方が多いようです。

食べた後は口の中にもニオイが残り、口臭は数日消えないといわれています。世界一臭い食べ物を食べるので、やはり程度の覚悟が必要です…。
口臭予防としては、食べる前にニシンを水やウォッカで洗うといいとされています。洗うことで、臭みを和らげる効果があります。また、牛乳はニオイを抑える効果があるため、一緒に飲むと少しは抑制できるかもしれません。

この記事のまとめ

シュールストレミングのポイントは、以下になります。

臭い、臭いといわれていますが、独特のニオイに虜になってしまう方も多いようです!
日本では、通販サイトで購入することができます。
興味のある方は、開封に注意しながら楽しんでみてくださいね。