臭いラボ

胃からくる口臭の原因とは?効果的な対策方法を一挙紹介

むし歯も歯周病もないのに口臭がすることがありますが、その原因は胃腸にある場合があります。胃腸のトラブルで口臭が発生する理由と、改善する方法について考えてみましょう。

胃からくる口臭の原因

 

口臭のほとんどは口の中の衛生状態の悪さや、歯周病、虫歯などによるものです。
通常、胃の中の臭いが口臭になることはありません。なぜなら、噴門という胃と食道の境目にある部位は食物が通過する時だけ開き、それ以外の時は閉じているからです。その為、ゲップをしたとき以外には、胃の中の臭いが口の中に上がってくることはありません。
しかし、胃のトラブルによって口の中の状態が変化することによって口臭が発生することがあります。

胃のトラブルが二次的に起こす口臭

唾液が減少する

唾液には、食物が歯にくっつかないようにする、食物を飲み込みやすくする、味を感じやすくするなど、食べることをサポートする働きがあります。そしてそれに加えて、食べ物のカスを洗い流す、口の中が酸性に傾かないよう調整する、細菌の増殖を抑えるなどの働きで口の中を清潔に保つ働きもします。ところが、胃の調子が良くないと、唾液の分泌が減少してしまうことがあります。その結果、口の中の汚れと細菌が混ざり合って、口臭を発生する場合や、酸性に傾いて口臭が発生する場合があります。

舌苔ができる

胃にトラブルがおこると、舌にある小さな突起 絶乳頭に影響を与え、舌苔ができることがあります。舌苔は食物や粘膜の滓と細菌が混ざってできるのですが、ストレスや抵抗力低下、そして胃のトラブルによってできやすくなり、口臭を発生させます。

口臭を発生させる胃の病気

逆流性食道炎

アルコールやコーヒー、高脂肪食品を過剰摂取したり、ストレスが溜まったりすると発症する胃酸が逆流して食道の粘膜が炎症を起こす病気です。胃がむかむかする、吐き気がする、口の中が酸っぱくなるなどの症状の他に、慢性的な口臭も発生させます。

胃炎

胃の粘膜が炎症を起こし、腹痛や吐き気などの症状がおこる病気です。胃酸の分泌が減り、未消化の食物が胃の中に停滞してしまっている状態になり、腸に行く前に胃の中で発酵してしまいます。その臭いが血液に運ばれて肺に侵入し、息に混ざるので口臭が発生します。

十二指腸潰瘍

十二指腸潰瘍ができると、吐き気や胸やけがおこると同時に、消化不良になり、未消化の食物が胃の中に停滞してしまいます。その結果、胃の中で食物が発酵し、血液に運ばれて肺に侵入し、息に混ざるので口臭が発生します。

胃がん

胃にある壊死したがん細胞が臭いを発生し、その臭いが肺に侵入し、息と混ざって口臭を発生させます。また、がん細胞が増殖する時に作り出される化学物質が口臭の原因であるという説もあります

ピロリ菌感染症

胃の粘膜に棲みつくピロリ菌は、胃炎、胃潰瘍、胃がんなどに深い関わりがあります。感染経路はまだ明確にはなっていませんが、幼児期に感染することが多いと言われています。そして感染している人は、歯石や唾液、排せつ物からピロリ菌が検出されますが、自覚症状はありません。このピロリ菌は胃の病気を引き起こすだけ絵はなく、口臭も発生させます。

あなたの口臭は胃が原因?


口臭の原因には口の中のトラブル、胃のトラブル、腸内環境の悪化が考えられます。自分の口臭の原因を見極めるために必要なチェックポイントを確認しておきましょう。

口の中にトラブルがある人

虫歯、歯周病がある。入れ歯や被せ物をしている。

≪臭いの特徴≫
・口の中が乾きやすい
・口の中が酸っぱくなることがある
・胃が痛くなることがある

≪口の中のトラブルがあるとおこりやすい症状≫

・朝起きたとき、口の中がネバネバする
・歯を磨くと歯茎から血が出る
・歯茎がむずむずする
・歯茎に痛みを感じることがある
・歯肉が赤くなっている
・体調によっては歯肉が時々腫れることがある
・かたい物が噛みにくい
・歯が長くなったような気がする
・食べ物が歯と歯の間に詰まりやすい
・歯並びが悪くなってきた
・舌で歯を触るとザラザラしている部分がある

胃のトラブルがある人

虫歯や歯周病はない。定期的に歯科検診を受けている入れ歯や被せ物もない。

≪臭いの特徴≫
・玉ネギが腐ったような臭い
・肉が腐ったような臭い
・卵が腐ったような臭い

≪胃のトラブルがあるとおこりやすい症状≫

・口の中が乾きやすい
・口の中が酸っぱくなることがある
・胃が痛くなることがある

腸内環境の悪化

虫歯や歯周病はない 定期的に歯科検診を受けている入れ歯や被せ物もない。

≪臭いの特徴≫
排泄物やおならのような臭い

≪口の中のトラブルがあるとおこりやすい症状≫

・便秘しやすい
・お腹が張る
・肌が荒れている

口臭以外に、現在自分に起きている症状と似ている症状はありましたか?
もし、口の中のトラブルなら歯科医、胃や腸のトラブルだと思われる場合には、内科の診察を受けましょう。

胃のケアで口臭の根本的な対策


深刻な病気ではなく、胃が荒れている程度だと考えられる場合には、胃を労わって健康な状態に戻すようにしましょう。胃が原因で口臭がしている場合には、歯磨きやマウスウォッシュだけでは臭いを消せません。胃腸の健康を取り戻すという根本的な解決が必要です。

胃の病気が二次的に起こす唾液の減少のケア

≪唾液の減少のケア≫

・コーヒーやお茶ではなく、水で水分補給する
・唾液の分泌を促すため、食事は時間をかけてゆっくりとる
・硬いガムを噛む
・唾液線をマッサージする
・舌を動かす 舌を前後、左右に動かす、舌を回すという方法で唾液線を刺激します。

胃炎、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎の予防とケア

これらの病気の原因には食べ過ぎ、飲みすぎ、ストレスの蓄積、喫煙、アルコールがあげられます。

≪胃のケアのために心がけること≫

・規則正しい欲時時間を守る
・腹八分を心がける
・カフェインや香辛料の過剰摂取を控える
・冷たい飲み物を控え、常温で飲むようにする
・アルコールの過剰摂取を控える、ビールを飲む場合には常温で飲む
・禁煙する

胃がんの予防

国立がん研究センターが、「科学的根拠に基づいた『日本人のためのがん予防法』」についてまとめています。

科学的根拠に基づくがん予防:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

出典:科学的根拠に基づくがん予防:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

喫煙、食生活の見直し、摂取、適正体重の維持、適切な運動という5つの健康習慣ががんの発症リスクを下げるという内容です。

ピロリ菌感染症のケア

ピロリ菌の存在診断を受け、あった場合には除去療法を受ける

ピロリ菌は口臭を発生させるだけではなく、胃がんのリスクも高めます。口の中に問題がなく、胃が原因で口臭がしていると感じる場合には、ピロリ菌の検査を受けてみることも選択肢の一つです。

腸内環境を整えるために心がけること

≪心がけること≫

・脂質や糖分を控え、水溶性繊維と不溶性繊維をバランスよく摂取する
・大豆製品、発酵食品、海藻類、野菜中心の食事に切り替える
・ストレスを溜め込まない
・適度な運動をする

 

胃のケアとあわせて行いたい口臭対策 マウスウォッシュ

胃が荒れていて、口臭が気になっている時には、口の中もすっきりせず気分が落ち込んでしまいます。そんな時はマウスウォッシュなどで口の中をすっきりさせられます。ただし、マウスウォッシュの成分は、口の中を漱ぐだけであっても、少量は唾液とともに体内に吸収されていきます。胃が健康な時であれば何の問題もなくても、胃が荒れている時に刺激の強い成分を含んだマウスウォッシュを多用すると、胃のトラブルを悪化させる恐れがあります。安心して使える低刺激のマウスウォッシュを選びましょう。

胃からくる口臭にはWの対策を!

胃が原因で口臭がしている場合には、胃の健康を取り戻すことが最も大切です。不安な点があれば、病院に行って診察を受け、病院へ行くほどではない場合には、日常生活の中でできる限りの胃のケアをしましょう。
マウスウォッシュやサプリなど、すぐに効果が実感できる口臭対策をする場合には、胃に負担をかけて却って口臭をひどくしまわないよう、低刺激性のタイプを選ぶことをおすすめします。
胃の調子が悪くなる原因の中で最も多いのは、ストレスです。ストレスは誰にでも起きてしまうものですが、できるだけストレスを抱え込まない工夫をすることも、口臭改善に役立ちます。口臭を気にしすぎてそのことでストレスを大きくしない為に、マウスウォッシュやサプリを上手に利用しましょう。